2022-08-12

ジーンズのフロントポケットの修理(袋布の交換)&内股補強修理

お買い上げ頂いたジーンズの修理を承っております。

小さな穴などは、お客様がお待ちの間に、その場で修理しています。修理箇所が大きいもの、特に分解が必要なものなどは2か月くらいのお預かりです。

(こちらからご来店予約ください。)

ただし、修理は、ちゃんとこまめにお洗濯してくださってる方に限ります^_^

夏だったら毎日。冬でもギリ3日以内に洗ってくださいね。(洗い方はこちらで確認してください。)

洗うの面倒くさいからって、大事にされて無いジーンズを修理するのはイヤ!

だって洗って無いジーンズって、臭いし、脂でペタッとしてるし、ぼろぼろだし、大事にされて無いジーンズを直す気になれないんだもん。

ちなみに、私はプロなので、ちゃんと、こまめに洗って、大事に穿いてくれてるジーンズか、そうじゃないかがわかります。

勿論、ちゃんと表向きに洗濯機に入れているか、そうじゃないのかもわかります。

大事にしてくださいね。あなたのジーンズ。

ジーンズへの愛情は、ちゃんとこまめに洗ってあげる事。ほったらかしにしない事!

追伸、
ジーンズを縫う時、一番最初に前ポケットを縫うって知ってました?
だから前ポケットの修理の時は、一度分解して、生地の補強をしてから、それから組立てています。
なので、分解が必要だと大変。分解しなくても良い様に、穴が小さいうちに持って来てくださいね。お願いします。

ジーンズの前ポケットの修理を画像で紹介

まずはジーンズを分解します。

分解した部分をよく見てみると、、、ポケットの縁の部分が擦り切れています。ここを塞がないと縫えません。

裏からみるとこんな感じ

経糸(たていと=縦糸)が無くなって、向こう側が透けて見えます。

この「折角、穿き込んで擦り切れた部分」を全部塞いででしまうのは、残念な気持ちになるので。。。

裏から見頃と同じデニムを当てます。

リペアが完成して、ポケット口のこの部分を表から見た時、一見すると穴があきそうな状態ですが、実はその奥には新品のデニムが控えているという仕様です。

まずはポケットのカーブに沿って形を取ります。

切り抜いたパーツは、見えないところだけれど、デニム生地の「地の目」を右見頃(右足の前のパーツ)と合わせて、垂直方向に揃えてあります。

裏から当ててみます。

で、前見頃に仮止めします。

前もって準備していた、真新しいポケットスレーき(袋布)を前見頃と地縫いします。

地縫いした部分をスレーキ側からみるとこうなっています。

新しいジーンズを縫う時は、通常は、スレーキ側を見ながらポケット口のステッチを入れていくのですが、前に縫われていたステッチ跡を活かした方が、このジーンズにとってはカッコいいと判断して、表側から縫います。

このポケット口のステッチは、20番手の生成色の糸。9針/3cm間で縫います。

以前縫われていたステッチ跡をトレースするように、新しいコバステッチ(0.7st)を入れていきます。

内側のステッチも同じく縫いました。

ポケット口の、地縫い+コバステッチ+内側ステッチが終わりました。

これから、スレーキの底(ポケットの底)を縫っていきます。

その前に、糸を30番手に変更します。

先ずは地縫いから。12針/3cm間です。

次に、袋をひっくり返して、表ステッチ。

あらかじめ測っておいた、前ポケットの幅と長さを見て、ずれないようにちょっと仮止め。

前見頃と後見頃の端に、ロックをかけます。

脇合わせ用の20番手の生成色の糸に交換

脇を合わせていきます。その時の地縫いは12針/3cm間です。

脇合わせが終わったら、表側から、セーフティーステッチを入れていきます。セーフティーステッチとは、脇の縫い代を後ろポケット側に倒して、抑えるステッチです。7インチの距離です。およそ、バックポケットの右下の角付近まで来ます。ステッチの最後(足側)は、返し縫いはしません。返し縫いが美しくないと工藤が思っているのと、本縫いなので返し縫いがなくても解けないからです。(リーバイスと同じ方式を採用しています。)

ベルト(腰帯)と呼ばれるウエスト部分のパーツを取り付けます。

でやっと完成です。

おまけ

内股の部分が弱っていたので、50番手の水色の糸で補強ステッチを入れます。

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