お買い上げ頂いたジーンズの修理を承っております。
小さな穴などは、お客様がお待ちの間に、その場で修理しています。修理箇所が大きいもの、特に分解が必要なものなどは2か月くらいのお預かりです。
(こちらからご来店予約ください。)
ただし、修理は、ちゃんとこまめにお洗濯してくださってる方に限ります^_^
夏だったら毎日。冬でもギリ3日以内に洗ってくださいね。(洗い方はこちらで確認してください。)
洗うの面倒くさいからって、大事にされて無いジーンズを修理するのはイヤ!
だって洗って無いジーンズって、臭いし、脂でペタッとしてるし、ぼろぼろだし、大事にされて無いジーンズを直す気になれないんだもん。
ちなみに、私はプロなので、ちゃんと、こまめに洗って、大事に穿いてくれてるジーンズか、そうじゃないかがわかります。
勿論、ちゃんと表向きに洗濯機に入れているか、そうじゃないのかもわかります。
大事にしてくださいね。あなたのジーンズ。
ジーンズへの愛情は、ちゃんとこまめに洗ってあげる事。ほったらかしにしない事!
追伸、
ジーンズを縫う時、一番最初に前ポケットを縫うって知ってました?
だから前ポケットの修理の時は、一度分解して、生地の補強をしてから、それから組立てています。
なので、分解が必要だと大変。分解しなくても良い様に、穴が小さいうちに持って来てくださいね。お願いします。
ジーンズの前ポケットの修理を画像で紹介
まずはジーンズを分解します。
分解した部分をよく見てみると、、、ポケットの縁の部分が擦り切れています。ここを塞がないと縫えません。
裏からみるとこんな感じ
経糸(たていと=縦糸)が無くなって、向こう側が透けて見えます。
この「折角、穿き込んで擦り切れた部分」を全部塞いででしまうのは、残念な気持ちになるので。。。
裏から見頃と同じデニムを当てます。
リペアが完成して、ポケット口のこの部分を表から見た時、一見すると穴があきそうな状態ですが、実はその奥には新品のデニムが控えているという仕様です。
まずはポケットのカーブに沿って形を取ります。
切り抜いたパーツは、見えないところだけれど、デニム生地の「地の目」を右見頃(右足の前のパーツ)と合わせて、垂直方向に揃えてあります。
裏から当ててみます。
で、前見頃に仮止めします。
前もって準備していた、真新しいポケットスレーき(袋布)を前見頃と地縫いします。
地縫いした部分をスレーキ側からみるとこうなっています。
新しいジーンズを縫う時は、通常は、スレーキ側を見ながらポケット口のステッチを入れていくのですが、前に縫われていたステッチ跡を活かした方が、このジーンズにとってはカッコいいと判断して、表側から縫います。
このポケット口のステッチは、20番手の生成色の糸。9針/3cm間で縫います。
以前縫われていたステッチ跡をトレースするように、新しいコバステッチ(0.7st)を入れていきます。
内側のステッチも同じく縫いました。
ポケット口の、地縫い+コバステッチ+内側ステッチが終わりました。
これから、スレーキの底(ポケットの底)を縫っていきます。
その前に、糸を30番手に変更します。
先ずは地縫いから。12針/3cm間です。
次に、袋をひっくり返して、表ステッチ。
あらかじめ測っておいた、前ポケットの幅と長さを見て、ずれないようにちょっと仮止め。
前見頃と後見頃の端に、ロックをかけます。
脇合わせ用の20番手の生成色の糸に交換
脇を合わせていきます。その時の地縫いは12針/3cm間です。
脇合わせが終わったら、表側から、セーフティーステッチを入れていきます。セーフティーステッチとは、脇の縫い代を後ろポケット側に倒して、抑えるステッチです。7インチの距離です。およそ、バックポケットの右下の角付近まで来ます。ステッチの最後(足側)は、返し縫いはしません。返し縫いが美しくないと工藤が思っているのと、本縫いなので返し縫いがなくても解けないからです。(リーバイスと同じ方式を採用しています。)
ベルト(腰帯)と呼ばれるウエスト部分のパーツを取り付けます。
でやっと完成です。
おまけ
内股の部分が弱っていたので、50番手の水色の糸で補強ステッチを入れます。