海に似合うタッチイズラブ®︎ジーンズ
湘南の海に似合うブランドとしてスタートした、タッチイズラブ®︎ジーンズ。ジーンズブランドのリーバイスで、商品企画や生産品質管理を経験した作者が、そのデザインをリーバイスとは異なるものにし、ディティールを大きく変えています。その違いとは、ブランドの起源です。「海をデザインした」タッチイズラブ®︎に対して、金鉱での労働を支え得る「品質をデザインした」リーバイス。そこに違いがあります。
出発点
ブランドの出発点とは、誕生の歴史。
タッチイズラブ®︎は「湘南の134号線沿いの風景が好きな人のために誕生した、海に似合うディティールのジーンズ」。
リーバイスは「アメリカの金鉱で働くために集まった多くの人のために誕生した、頑丈なジーンズ」。
誕生のロケーションが、湘南の海と、アメリカの山では異なります。
誕生から15年のタッチイズラブの起源は、「湘南の海とその周辺のお店で穿ける、水着に見えないトランクス」。
誕生から165年のリーバイスの起源は、「ポケット口が裂けてしまわないように、リベットで補強されたズボン」。
ブランドがスタートした時点のアイテムも、大きく異なります。
写真右が、タッチイズラブ®︎ブランド誕生時のポリエステル100%のサーフトランクス。写真左は、現在の綿100%のカットオフショーツ。
デザインディティール
タッチイズラブ®︎は、海のイメージをデザインに反映させた、ホワイトとネイビーのデザイン。ロゴパッチは、帆船の帆に使われていた生地に、ホワイトをベースに、ネイビーのロゴ。
一方、リーバイスは、ゴールドラッシュの夢を映し出し、かつ、縫い目を鮮やかに見せることで、品質へのこだわりを表現したイエローゴールドのステッチ。リーバイスのロゴパッチは、紙パッチにレッドのプリント。
写真右がデニム業界で金茶と呼ばれるリーバイスのステッチ。写真左がホワイトのステッチのタッチイズラブ。どちらもリジットでの比較。
バックポケット
海の波のうねりと波の飛沫がデザインされている、タッチイズラブ®︎のバックポケット。ポケット上部は、波の異なる波長の”うねり”をデザインした、カーブした2本のホワイトのステッチ。デニムを二枚重ねて、ヒップ上部の厚みも加えられた仕様。ブランドアイコンの涙型のステッチはLOVEの4文字にちなんで4つ。
一方、リーバイスは、効率的にポケットを作るためにデザインされたバックポケット。ポケット上部は、二本針巻き縫いミシンを使ったストレート。ブランドアイコンのステッチは、アーキュエイトステッチと呼ばれる弓形。
写真右がリーバイス。ブランドアイコンのアーキュエイトステッチでさえも効率的に縫製できるように、一筆書き仕様。写真左がタッチイズラブ®︎。ブランドアイコンの涙型のステッチは、繰り返し、穿いて洗うことで、やがて擦り切れていく。
写真右がリーバイス。アーキュエイトステッチは30番手〜20番手の太さの糸を使い、穿き込んだ時にも、ブランドアイコンとしての存在をアピール。写真左がタッチイズラブ®︎。雫形のステッチは、穿きこんでいくうちに、次第に消えて、インディゴの跡だけが微かに残るデザイン。
シャトルデニム
タッチイズラブ®︎ジーンズは、シャトルデニムのジーンズ。通称赤耳デニムと呼ばれるシャトル織機で作られたデニム。写真のリーバイスのジーンズも、赤耳デニム。
どちらも、その風合いの良さと、色落ちした時に見えてくる、綿糸のムラや凹凸の自然な形状が、人間の目に心地よさを与えてくれます。その肌触りと、見た目の自然な心地良さは、現在のマーケットで主流の、スルーザー織機で大量に作られるデニムの風合いや、人工的な見た目とは、大きく異なります。
写真右がリーバイス。裾の仕様は、イエローゴールドの三つ巻き。写真左は、タッチイズラブ®︎。裾の仕様は、ネイビーの三つ折り。どちらのステッチも、繰り返しの洗濯と日差しによって、自然に退色しています。
海が似合うジーンズは
湘南の海に似合うのは、新品のジーンズよりは、繰り返し穿いて洗った、色落ちが進んだジーンズだと思うのです。その理由は、湘南は、東京より、光が強く感じられるから。光が強い地域では、黒っぽい服よりも、白の割合が多い見え方が、人の目に心地良く映ります。そして、自然な風合いと、自然な色落ちの、シャトルデニムのジーンズであればなおさら、湘南の海には良く似合います。