2024-07-26

時代にあったデニム

自分の持っている物や、体験した事が時代に合っていて、心地良いと感じることがあると思います。

ジーンズの場合、ジーンズを構成する、形(fit)生地(fabric)色(finish)の3つのうちの、生地が一番時代感を左右しています。

少しだけ穿き込めば見えてくる、デニムの経糸(たていと)のムラ形状の見え方がそれにあたります。

いつの時代も、ビンテージデニムに見られる、自然な糸の太さのムラの形状が、人間の目には優しく感じられますが、本物の何十万円もするビンテージデニムは、誰でも手に入れられる訳ではありません。

あくまで、ビンテージじゃないここ20年くらいの間に買ったジーンズのお話し。

これらのジーンズは、生産の過程において、都度、新しい綿花から紡績された新しい糸を使って織られるデニムを使って作られます。同じレシピで作られても、その時々で綿が違うから、ムラの『自然さの度合い』は違って来ます。(勿論、企画意図によっても)

この都度作られたデニム生地のムラ形状によって、我々は、『今っぽい』とか『なんかイマイチなんだよね』と感じるのです。

そして、我々の感じ方を左右するのは、毎日の生活で目にする現代社会の出来事です。ニュースや天気やSNSで目にする社会状況に、感じ方が左右されます。

今、タンスに入っているジーンズを眺めて見てください。

サイズとかシルエット云々ではなくて、デニム生地の白い部分(=白くなった糸)を見てください。

自分の気持ちのあり方と言うか、心持ちと言うか、現代社会を生きる自分がどう感じるのかに意識を向けてみてください。

今の自分にとって、なんかイマイチだなぁと思ったら、新しいジーンズを買いに行ってください。

だって、イマイチなのを身につけている事ほど、勿体無い事はないから。ぜひ、今を大事に。

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