2025-01-12

祥伝社の名雑誌ブーン・ヴィンテージ『リーバイスの歴史が変わる』

ジーンズマニアなら誰もが手にした事がある祥伝社の名雑誌ブーン・ヴィンテージ『リーバイスの歴史が変わる』の文章中に、1930年代の変化として501の改良が行われた記述がある。
「まず、最初は縫い目の脆弱性の原因となっていた亜麻糸を、靴縫製用の太い糸へと変更」
この事は、今の日本及び世界のジーンズ生産の基本となっている。例えば、お尻中心の二本のステッチで縫われている部分。ここは、解れたら困る場所。そして、擦り切れ易い場所なので強度のある糸=太い糸で縫われている。しかし、コインポケット部分の上端などは、そんなに強度が要らないので、細い糸でも十分だったりする。この、強度を必要とする所に太い糸を使うという基準は、実用性の他にもうひとつの効果を産んでいる。それは、「縫い目の場所によって糸の太さが違うので、ジーンズ全体を見渡した時に見た目の凹凸感が生まれている」という事。人間の目は、人工的に作られた平べったい表面の物よりも自然な凹凸感のある物を好む傾向がある。自然の持つ優しさみたいなものを感じ取っているのだと僕は思う。

だから、150年以上の歴史を持つリーバイスが現代の人々からも好かれているのだ、そう思う。

実は、この人間から好まれる自然な凹凸感の秘密を、僕も商品デザインに活かしている。お客様には、お時間があるときに是非、お手元のタッチイズラブ®︎ジーンズの縫い糸の太さのバリエーションを確かめて見て頂きたい。

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