ジーパンを洗わないとモテないよ。
おじさんの脂でペタッとした、おじさんの汗が染み込んだ、おじさんの臭いのするジーパンだよ。
そんなのを穿いてるんだよ。
そんなおじさんは、モテない。
(だけど、おじさんは反論する。)
「だってよく言うじゃん。ジーパンは洗わないほうが良いって」と。
大体ね、『良い』って何が?
ジーパンにとって良いの?
おじさんにとって良いの?
それとも、別の誰かにとって良いの?
そして、何が良いの?
あるいは、特別な意味でもあるの?
儀式とか?
宗教的な意味合いがあるの?
怖っ!
そもそもね、なんでジーパンは洗わないほうが良いって話になったのよ。
「ちょっと前にさ、ジーパンの色落ちとか、色が最初から落ちてるジーパンが流行った時があったじゃん。そん時にテレビでそう言ってたし、雑誌とかにもそう書いてあったの、見たよ。」
それって20年前くらい前じゃない? ちょっとじゃねーし。
大体ね、人の話を聞かないからいつまで経ってもダサいんだよ。
まずね、歴史が大事。
今から20年くらい前って、本当のユーズドじゃなくて、作られたユーズドのジーパンが流行った頃なの。そん時の流行りは、腿の部分が白く色が抜けてて、脛の部分が濃い色のジーパンが流行ってたのよ。今でもジーパンの雑誌とかには、その当時流行ったジーパンそっくりに穿き込んだジーパンが載ってるけど。
その影響だよ。
脛の所が濃い色のジーパンって、糊が残ったままのリジットから穿いていくと、出来上がるのよ。
タテ糸の表面に糊がかかってる状態のジーパンを穿くと、まず糊が邪魔して、タテ糸のインディゴが剥げづらいのよ。
だから、擦れにくい脛の所とかは、濃い色のままなのよ。
「ちょっと待って。色って変わるんじゃないの? 禿げるの?」
いや、ハゲじゃないから。デニム生地の表面に見えてるインディゴが、削れて中の白が見えてくるの。タテ糸の表面だけインディゴ色になってて、芯は白いのよ。その白が見えてくるから、色が薄くなっていくように見えるの。
ほら、ルーペで見てみなよ。老眼でも見えるから。


「ほんとだ。中が白い。」
擦れて、表面のインディゴが、だんだん少なくなるから、色が薄くなってくるように見えるのよ。
「まじか」
しかも、ジーンズを人工的にユーズドにする工場では、いかにして、洗濯機の壁に、ジーパンの表面を当ててインディゴを剥げさせるかが、その良し悪しを決めるのよ。
「じゃあ、かっこいいユーズドのジーパンて何よ。」
それは、自然な感じのユーズド。
古着屋で高い値段がついているジーパンで、色の濃淡がはっきり出てるジーパンでも、自然な色のグラデーションがあるのよ。
だから、かっこいいのは不自然じゃないってこと。
だから、ジーパン洗えって言ってるの。
ちなみに、おじさんの脂は最強だから、ジーパンが切れやすくなるんだよ。内股とか前ポケットとか。
わかった?
行動しなきゃ変われないから。
行動しないと、イケてないままだよ。
洗う時は、ジーパンのユーズドを作る工場と同じで、一番上のボタンだけ留めて、表で洗うんだよ。わかった?

touch is love ®︎ のジーンズの修理についてはこちらから→https://touchislovejeans.com/repair/